株式会社設立の流れ

株式会社設立方法には「発起設立」と「募集設立」の2つがあります。ここではより手続が簡便でよく用いられる。「発起設立」(現物出資なし)による会社設立手続についてご紹介いたします。
株式会社設立手続は『事前準備』→『定款作成・認証』→『登記申請書類作成・登記申請』の3段階に分かれます。 そして、この登記申請により会社は成立します(登記申請日が会社の創立年月日となります)。尚、事後手続きとして、各官庁の届出などもございます。

事前準備手続き

  • 設立する株式会社の内容の決定

  • 商号の決定

    1.商号中に株式会社の文字が必要です。前株・後株のどちらでもOKです。

    2.
    ■使用可能文字○…
    (日本文字;漢字・ひらがな・カタカナ)、(ローマ字;大文字・小文字)、(アラビア数字;1・2・3)、
    (アンパサンド &)、(アポストロフィー ’)、(コンマ ,)、 (ハイフン ‐)、(ピリオド .)、(中黒 ・)
    ■使用不可文字×…「 」、( )、☆等
    ■使用不可単語×…
    (公序良俗に反する単語)、(銀行・信託・証券などの単語)、(公的機関との誤認を招く単語;民事局)、
    (有名企業商号・ブランドの無断使用;三菱・住友・三井等)

    3.後の類似商号・商標調査で引っかかった時の為に、候補は3つほど用意しましょう。

  • 本店所在地の決定

    1.日本国内のどこか1箇所を定めます。

    2.実際は賃貸した事務所がある場合でも、自宅を本店所在地とすることが可能です。
    この場合、自宅を本店としておけば、事務所を移転したとしても変更手続不要で便利。

  • 事業目的の決定

    1.事業目的には「適法性」「明確性」「営利性」が要求されます。この要件を充たさなけば登記申請段階で受理されません。以前と比べ、その具体性については緩和されましたが、後の銀行取引などの融資でも事業目的が具体的でないと不利になることもありますので、やはり具体性を持った事業目的の抽出が必要でしょう。

    2.事業目的は将来も見据えて幅広くあげておいた方が、後に新事業を行う際に定款変更手続などがなく、手間もコストもかからず便利です。

  • 各種調査

  • 商標調査

    商標が商標登録されていないかの調査です。決定した商号が既に商標登録されている場合、商標法による規制の対象となります。

  • 類似商号調査

    同一商号の会社が本店所在地にあるか」「不正目的と判断されるような商号があるか」を本店所在地管轄法務局の商号調査簿を閲覧して調査します。

  • 事業目的調査

    事業目的が適当かどうかの調査です。決定した事業目的を箇条書きにし、あらかじめ法務局で確認しておくとよいでしょう。類似商号調査と合わせて行えば、手間が省けます。

  • 許認可の調査

    業内容が許認可を要するものである場合、会社を設立しても許認可を取得しない限り事業が行えません。判断がつかないときは、行政書士に聞くとよいでしょう。

  • 会社代表者印(会社実印)の作成

    大きさが「1辺30mmの正方形に収まること、かつ10mmの正方形に収まらないこと」と決められています。尚、この印鑑は個人で言えば実印にあたり、会社の意思決定をあらわす書面(例えば契約書)などに用いられるため、法務局に届け出て登録します。

  • 発起人全員の印鑑証明書の取得

    定款を作成するに当たって、発起人全員分の実印を押印することになるので、その印鑑の真正を明らかにするために添付します。尚、定款記載の発起人住所も印鑑証明書記載の住所と完全に一致させる必要から、上記調査後代表者印作成とともに速やかに取得した方がよいでしょう。
    また、会社代表を兼ねる場合には、登記申請書類に会社代表の実印を押印することになりますので、最低でも2枚の印鑑証明書が必要となります。合わせ取得しておけば手間が省けます。

  • 定款・登記申請書の記載事項のまとめ

    定款及び登記申請書に記載する事項を整理してまとめておきましょう。具体的には、商号・本店所在地・資本金額・取締役任期などです。

定義の作成・認証

  • 定款の作成

    ● 定款作成の方法
    ・定款の用紙に規定はありませんが、通常A4またはA3の二つ折りが多いようです。
     また、ワープロやパソコンで作成しても、手書きでもOKです(ただし、鉛筆不可)。

    ・複数枚にわたる定款を順番にならべ、左側2箇所をホチキス止めして製本します。

    ・各ページの見開き2ページに陰影がまたがるように発起人全員の実印で契印します。

    ・会社保存用原本・公証役場保管用・登記所提出用謄本の計3部を用意します。手書きの
     場合はコピーしていただいて結構です。

    ・定款の訂正方法にはルールがあります。まず訂正箇所を二重線で消し、その上に正しい文字を
     記入します。そして、定款の最後のページに「第○条中○字削除○字加入」とした上で、
     発起人全員の実印で訂正印を押印します。

    ●定款の記載内容
    ・絶対的記載事項…
    その記載がないと、定款そのものが無効となってしまう事項。
    目的/商号/本店所在地/設立に際して出資される財産の価額またはその最低額/
    発起人の氏名または名称及び住所/発行可能株式総数…の6つが当たります。
    尚、発行可能株式総数については設立登記申請時までに記載すれば良いです。

    ・相対的記載事項…
    定款に記載して初めて効力を生じる事項です。
    取締役会の設置/株券の発行/全部株式の内容についての譲渡制限の定めなど。

    ・任意的記載事項…
    定款に記載するかしないか任意の事項です。
    株主名簿基準日/定時株主総会招集時期/広告方法/事業年度など。

  • 定款の認証

    定款の作成が終了しましたら、その定款を設立登記する法務局を担当する公証役場で認証します。尚、公証人が不在の場合がありますので、事前に確認をしておくとよりスムーズに手続きをおこなえます。
    原則として発起人(複数の場合全員)が実際に公証役場へ行く事となりますが、委任状があれば、代理人1人でも認証を受けられます。
    持参物としては、定款3部/印鑑証明書(発起人全員分)/認証手数料(5万円現金払)/収入印紙(4万円分。公証役場では売っていないので、郵便局などで事前入手。電子定款認証の場合は不要となります。)/謄本手数料(1枚250円×枚数分)/委任状となります。

出資金払込、登記申請書

  • 添付書類 作成1 (発起人・取締役関係)

  • 発起人決定書(発起人が2名以上の場合は発起人会議事録)

    主な記載内容としては、「商号」「本店所在地」「目的」「発行株式総数」「払込取扱い金融機関名称・取扱場所」などです。日付は他の書類と照らし合わせ、前後関係に不備が無いよう注意します。押印は発起人個人実印が必要です。
    また、その実印の証明として印鑑証明書を添付します。(定款作成前の事前準備で入手しておけば良い)

  • 設立時取締役の就任承諾書

    設立時取締役としての就任を承諾する旨の書類です。日付は他の書類と照らし合わせ、前後関係に不備が無いよう注意します。押印は設立時取締役個人実印が必要です。
    また、その実印の証明として印鑑証明書を添付します。(定款作成前の事前準備で入手しておけば良い。発起人=設立時取締役の場合は援用が可能。)

  • 設立時代表取締役の選定決議書

    代表取締役を選定した旨を内容とする書類。日付は他の書類と照らし合わせ、前後関係に不備が無いよう注意します。押印は設立時取締役個人実印が必要です。

  • 資金払込及びそのコピーの取得

    1.定款で定めた出資金額を、発起人決定書で定めた金融機関へ払い込みます。尚、この場合の金融機関とは銀行・信託銀行・信用金庫・商工組合中央金庫・農協・農林中央金庫・労働金庫等を言いますが、郵便局は上記金融機関に含まれません。
    また、振込口座は発起人個人名義の口座でよいのですが、後々の会社財産の管理を容易にする為にも、会社専用の新規口座の開設をお勧めします。

    2.1の払込が終了いたしましたら、その預金通帳の「出資が確認できる該当箇所」、及び「表紙裏面」、「表紙」をコピーしておきます。尚、募集設立の場合は当該コピーでは足りず、金融機関発行の「払込金保管証明書」が必要となります。

  • 添付書類 作成2 (出資金払込関係)

  • 出資の払込みを証明する書面(証明書)

    「設立時発行株式数」「払込を受けた金額」「1株あたりの払込金額」を記載した書類です。この書類には、先に調製しておいた会社代表社印(会社実印)で押印します。日付は他の書類と照らし合わせ、前後関係に不備が無いよう注意します。また、上記出資金払込が行われた預金通帳コピーを添付し、契印をします。

  • 資本金額の計上に関する証明書

    「払込を受けた金額」と「資本金及び資本準備金の額として計上すべき額から減じるべきと定めた額」の差が、資本金限度額となることを証明する書類です。この書類には、先に調製しておいた会社代表社印(会社実印)で押印します。日付は他の書類と照らし合わせ、前後関係に不備が無いよう注意します。

  • 登記申請書の作成

    登記申請書に記載すべき内容は、以下の通りです。

    1.『商号』…定款で定めた商号となります。(株)など、省略形は不可です。
    2.『本店所在地』…丁目・番・号等をハイフンで省略しては不可です。また、定款とは異なり、
      最終行政区画までの記載では足りず、全ての記載が必要です。
    3.『登記の事由』…平成○年○月○日発起設立手続き終了」と記載します。
      尚、日付は登記申請日と一緒でかまいません。
    4.『登記すべき事項』…記載内容としては、商号・本店所在地・公告方法・目的など、
      定款記載事項となります。尚、フロッピーディスクを添付する場合では「別添FDのとおり」、
      OCR用紙を使用する場合は「別紙のとおり」と記載します。
      OCR用紙とは、法務局に備え付けてある登記事項を記載するために使用する専用の用紙で、
      パソコンやワープロを用いて記載します。
      申請人印欄には先に調製しておいた会社代表社印(会社実印)を押印します。
      登記すべき事項をOCR用紙に記載して別添提出する場合には、事前に当該用紙を法務局に
      おいて入手しておく必要が有ります。
      類似商号調査・事業目的調査の際に入手しておけば手間が省けます。
    5.『課税標準金額』…資本金額を「金○○万円」として記載します。
    6.『登録免許税』…資本金額の7/1000の額を記載します。尚、当該金額が15万円に
      満たない場合には、登録免許税額は15万円となります。100円未満切捨て。
    7.『添付書類』…添付書類の書類名称とその通数を記載します。尚、書類の援用が
      ある場合には、援用する旨の記載が必要です。
    8.『宛先』…申請をする管轄法務局です。例;「○○法務局(××支局)御中」
    9.『申請人』…代表取締役の氏名・住所を記載します。
    10.押印については、先に調製しておいた会社代表社印(会社実印)を押印します。
    11.その他、申請書には収入印紙を貼るための台紙を添付して契印を施します。
      尚、収入印紙は法務局でも入手できます。この時収入印紙には消印をしませんので注意してください
      (定款認証の場合と異なる)。

  • 印鑑届出書の作成

    先に調製した会社代表社印(会社実印)は、その真正を外部のものが見ても分かる様法務局に登録します。登記申請の時に合わせて提出できますので、その届出書も作成しておけば手間が省けます。
    この届出用紙も登記所で入手可能ですので、OCR用紙とともに、類似商号調査・事業目的調査の際に入手しておけばよいでしょう。
    尚、この印鑑届出書には、今回届け出る会社代表社印(会社実印)以外にも届出人の個人実印を押印する場所がありますので、間違えないように注意しましょう。

  • 会社設立登記申請

    作成した登記申請書類を管轄法務局へ提出します。設立登記申請してからその登記事務が完了するまで、およそ10日~2週間程度かかります。
    この事務が完了してからでないと謄本・印鑑証明書などは取れませんので注意してください。尚、会社設立日は「登記申請日」となります。

株式会社設立

会社設立登記手続き終了により会社は成立しましたが、その後は設立した会社について必要な届出をしなければなりません。具体的には以下のような届出が必要となってまいります。
  • 税務署届出

    ・法人設立届出書
    ・青色申告の承認申請書
    ・給与支払い事務所等の開設届出書
    ・減価償却資産の償却方法の届出書
    ・棚卸資産の評価方法の届出書
    ・源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書

  • 公共職業安定所(ハローワーク)届出

    ・雇用保険適用事業所設置届
    ・雇用保険被保険者資格取得届
    ・雇用保険被保険者証

  • 労働基準監督署届出

    ・労働保険関係成立届
    ・労働保険概算保険料申請書

  • 社会保険事務所届出

    ・新規適用届
    ・新規適用事業所現況所
    ・被保険者資格取得届
    ・被扶養(異動)届
    ・保険料口座振替納付申出書